組合長あいさつ

 4月1日、県内8JAが合併し、「和歌山県農業協同組合」が発足いたしました。全国に誇れる和歌山ブランドの農産物をはじめ、組合員数や事業規模においても全国有数のJAとなります。将来にわたって地域農業を守り育むため、役職員一丸となって責務を果たし、事業活動を通じて組合員・利用者の皆様の期待に応えられるよう努めてまいります。

 これまでの経緯を少し振り返ってみますと、平成27年に開催した第28回県JA大会が、「県1JA合併」協議のスタートでありました。その後も、農業・農村・JAを取り巻く環境が一層厳しさを増す中、自己改革を断行しながら組合員の負託に応えていく一方、並行して「県1JA合併」の協議を重ねてきました。そして10年余りが経過して「和歌山県農業協同組合」が誕生した次第ですが、合併に至るまで組合員の皆様にはご理解と多大なるご支援をいただき、深く感謝申し上げます。

 和歌山県農業協同組合は、農業を基軸に地域に根ざした協同組合として、「魅力ある力強い農業の実現」「果樹・園芸産地の堅持」「地域の活性化への貢献」「地域に根ざしたJA運営」「盤石な経営基盤の確立」を目指し、組合員の皆様の願いや夢を共に実現していくことが大きな使命であります。

 しかし、本県の農業は担い手の高齢化や後継者不足等による生産基盤の弱体化が進んでおり、また、人口の急激な減少により地域コミュニティの維持が困難な地域が増えつつあるなど、これまで以上の農業振興や地域活性化が大きな課題であると認識しております。持続可能な農業・地域共生社会の実現を目指し、「合併してよかった」と実感してもらえるよう、チャレンジ精神が旺盛で熱意と情熱ある組合員を支え、活躍していただける事業体制を目指してまいります。

 農業や地域が豊かになるためには、人と人とが繋がりを持ち協力しあうことが欠かせません。人々が互いに認め合い、支え合い、共に生きる社会を築くため、みんなで紡ぐ温もりのあるJAを目指します。 和歌山県農業協同組合として事業をする目的とは何か。それは組合員から「ありがとう」「おおきに」という言葉をいただくことに尽きると思います。自己満足ではなく、組合員農家とともに喜びあえることを常に意識することが大切です。実り豊かな未来を創造し、地域農業を守り続けるため不退転の決意で邁進してまいりますので、組合員の皆様には、今後とも一層のJAへの参画とご理解・ご協力を賜りますようお願い申しあげ、記念すべき新JA発足のご挨拶といたします。

代表理事組合長 坂東紀好